企業活動において、「商品・製品の不良による事故」「食中毒」や「個人情報漏えい」などの集団被害を発生させてしまったら、すぐに適切な対応をとらねばなりません。
以下でどういった対応をとればダメージを最小限に抑えられるのか、弁護士がご説明します。
このページの目次
1.担当者、チームを組んで窓口を用意する
まずは担当者を定めましょう。集団的な被害の場合、1人での対応は困難です。また問い合わせに対する窓口を用意し、一本化すべきです。それぞれの部署が個々に受け付けていると、対応がちぐはぐになって混乱が生じます。
代表取締役、役員、法務部やコンプライアンス部の責任者、広報部などがチームを組んで対応しましょう。
2.公開のタイミングを決める
世間に情報が広がる前の状況であれば、被害をいつ公開すべきかが問題となります。
たとえば食中毒や不良品のリコールなど、被害の拡散をすぐにでも食い止めねばならない場合には、可能な限り早期に発表しなければなりません。
そうでない場合にも、基本的には早めに公表すべきです。企業が自主的に発表する前に別ルートから情報が漏れると「不祥事を隠した」と疑われ、さらに信用を落としてしまう可能性があります。
ただし公表する情報は正確でなければなりません。
調査未了の段階では不確実な内容を発表しないよう、慎重に対応を進めましょう。
3.調査を行う
不祥事が発覚したら、全容を把握するための調査が不可欠です。
関係者のヒアリングを行ったり資料を精査したりして、状況を正確に把握しましょう。
証拠が隠蔽されないように、パソコンやスマホなどの情報機器を早期に保全し、データが破損していたら専門の業者に依頼して復旧してもらいましょう。
4.結果に応じた対応
調査の結果、判明した事実に応じた対応が必要です。
マスコミでの謝罪会見、ときには損害賠償すべきケースもあるでしょう。
再発防止策の検討と実施も必須です。
5.やってはならないこと
不祥事を起こしたとき、以下のような対応をしてはなりません。
- 何もせずに放置する
- 根拠もなく楽観視する
- 間違った情報を公開する
- 事実を隠蔽する
- 類似の問題発生が予想されるのに、再発防止対策をとらない
不祥事対応は、早急に行わねばならない一方で、慎重な姿勢も要求されます。
顧客や被害者からの損害賠償請求に応じなければならないケースも少なくありません。
顧問弁護士のアドバイスを受ければ、マスコミ対応、顧客や被害者への対応などを適切に進められます。不安のある方、現にトラブルの渦中にある企業の方がおられましたら、まずは一度、ご相談ください。